■約1年3カ月ぶりなるニューアルバムが完成しました。まずは率直な感想をお聞かせ下さい。
 −「ようやく出来た!」という感じですね。昨年の全国ツアーの合間に創り始めた曲が多いので一年くらい掛かりました。
 これまでは長年温めていた曲を仕上げるケースもありましたが、今回に限っては全曲がここ一年で創った文字通りの新曲ばかりですね。
 今のSTAYがパッケージされたアルバムになっています。

 ■前作から1年3カ月ぶりというのはここ最近ではかなり早いスパンだと思いますが?
 −前作の「EXPERIENCE」が4年ぶりのアルバムになりましたからね。さすがに待たせすぎというか、ツアーも4年ぶりだったので
 その間に環境が変わってしまって、応援してくれるファン層がかなり入れ替わってしまったんですよ。率直に言うとツアーの集客も難しくて。
 ツアーを2年連続でやろう、という初めての試みも決まっていたので、あまりみんなを待たせないようにアルバムを作ろうという話になりました。
 そうなると11月までツアーをやっていたのでツアー中にレコーディングしないと間に合わない。なので実際、かなり焦りましたね。

 ■今作はVISUAL ALBUMという初の形態でのアルバムになります。VISUAL ALBUMとはどういったアルバムなのですか?
 −昨年発表した「EXPERIENCE」は、15周年を経てこれまでの経験を凝縮させたような、ミックスジュースのようなアルバムでした。
 物凄く濃いものを作った事で、さて次はどうしようかという話になるじゃないですか。もう次は作らないという選択肢もありましたが
 昨年のツアーを周って改めて感じたのは、「音楽は楽しむもの」だという事。音が鳴れば楽しくなるような、悲しい曲も楽しめるような
 そんなものであるべきだな、っていう事を思っていて。そんな音楽を表現するためには、音ももちろんですけど、視覚に訴えかける手法も必要だな、と思いました。
 ツアーではライブハウスのスクリーンを使わせてもらって出し映像っていうのを演出で使うんですね。
 たとえば「Flashback」や「Be Careful」「Iris」という曲で撮り下ろしのイメージビデオみたいなものを出力してパフォーマンスをしましたが
 これが凄く評判が良いというか。ライブ後のアンケートを見ても印象に残りやすかったり、曲の世界にのめり込んでくれたり、色んな効果があるんですよ。
 いわゆるPVというか、MUSIC VIDEOが当たり前に制作される音楽界ですけど、やっぱり視覚で楽しめるという事が音楽でも大切になってきていると思います。
 今作はアルバムをCDで聴く事はもちろん、映像としても楽しんで頂けるようにVisual Filmを制作しました。耳でも目でも楽しめるアルバム、それがVISUAL ALBUMです。

 ■アルバムのテーマに「音を楽しむこと」を掲げられています。まさに音楽であるべき基本と言えると思いますが。
 −そうですね。長く音楽をやっていると忘れがちになるというか、難しい方へどんどん向かってハマって行っちゃう感覚になるんですよ。
 そこを一度リセットして、もう一度原点に立って音楽に向き合える機会を去年はもらえたと思います。「EXPERIENCE」も去年のツアーも貴重な体験でした。
 固定概念を忘れて真っ白な気持ちで「PERFECTION」は聴いてもらえると嬉しいです。

 ■さらに新しい試みとして、英語詩がベースになった曲が多くなっています。
 −歌詞が良い!って言ってくれるファンの方もいるので、ここはちょっと悩みました。ただ、英語のハマりが良い曲も多かったし、歌詞を読んでじっくり聴きこむよりは
 直観的に音を感じて楽しんでもらいたかったので基本は英語詩に。「Dawn」を聴いて驚いてくれた方も多かったみたいですね。その驚きも大事なんですよね。

 ■「Dawn」は確かに新鮮でした。アルバムの冒頭を飾るナンバーですが、何かが始まるドキドキ感がある楽曲ですね。
 −ありがとうございます。「Dawn」は僕らの中でもお気に入りというか、自信をもってアルバムのリード曲として打ち出した楽曲なんですよ。
 全英語詩なのでどういうリアクションが返ってくるかも楽しみ半分恐ろしさ半分でしたし、夜明けというタイトルに相応しい壮大な始まりを感じさせるサウンドに仕上げました。
 ここから、弾ける「Good Taste」やディープなフロウの「Middle fingers up」に展開していくので、ドキドキ感が伝わればもう満足です。

 ■楽しむことがテーマ、と謳われているのでアップテンポなナンバーで揃っているのかと思いきや、ドバラードの「Latest」や、カントリーの要素もある「Nevermind」、
 ヒップホップな「Dope」や「***lives matter feat. Micheal Karn」などバラエティーなジャンルの楽曲もありますね。
 −音楽って楽しい時にだけ聴くものじゃないし、悲しい時や辛い時、イライラして気を落ち着かせたい時とか、色々な場面で聴くものですよね。  色んなシチュエーションに寄り添えるようなアルバムにしたかったし、そうじゃないと楽しめないですよ。ずっとアップのアルバムって僕も好きじゃないですしね。
 トータルで音を楽しんでもらえるような、色んな表情を楽しんで頂けるアルバムになっていると思います。

 ■映像とのリンクも期待できる「PERFECTION」ですが、アルバムを引っ提げた全国ツアーも開催されます。
 ーアルバムと同じく皆を待たせないように2年連続の開催となりました。今回は全公演がワンマンライブになっていて、まさにSTAY一色のライブをお届け出来ると思います。
 おっしゃって頂いたようにヴィジュアルアルバムですから、パフォーマンスと映像とのリンクにも注目して頂きたいです。絶対に”楽しめる”ライブになると思うので
 ぜひ楽しみにしていて下さい。